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2018/3/15

ライギョは特定外来生物では無い件。

昨日今日は4月末だか、5月初めだかの陽気だそうで、気温も20℃を超えました。

毎年、最高気温20℃を超えるとそわそわしてきて釣りシーズンを意識しますが、今はまだ3月なので、まだ釣りはいいです。

去年はいろいろと面倒なことが続き、忙しかったりその気にならなかったりで、全然釣りをしなかったせいで、このブログも長らく放置でした。

去年の釣りは雷魚釣りに限らず、あらゆる魚種をひっくるめて、ナマズ釣りに1回行ったのみでした。

おっさんになってから雷魚釣りを復活して、その後遠征にも行くようになり10数年になりますが、雷魚釣りを復活してから、雷魚釣りをしなかったシーズンは去年が初めてです。


さて、まだ釣りをするには寒い時期ですが、このところ一部の釣り人やアクアリウム系の趣味の人を騒がせている、例の水を抜く番組ですが、いつも雷魚の扱いがひどいので、改めて確認しておこうと思います。


ライギョは特定外来生物ではありません。

ライギョは特定外来生物ではありません。

以前書いたように、環境省の定める、
「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」
の見直しがパブリックコメントを経て行われ、この見直しにより雷魚は「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」から外れました。

これ以降、カムルチーもライヒーも、
雷魚は特定外来生物ではなくなっています。

環境省:日本の外来種対策 特定外来生物等一覧

追記
因みに、見直し前は
・特定外来生物(法の規制を受ける)
・要注意外来生物(法の規制を受けない:見直しに伴い廃止)
があって、雷魚は要注意外来生物に分類。
追記終わり。

にもかかわらず、例の水を抜く番組を始め、農業アイドルの番組などのマスメディア上では、「駆除」という言葉を使ってひどい扱いです。

例の水を抜く番組では雷魚の駆除を目的として、大阪のかなり大きい池の水を抜いたり。

(あれだけの大きさの池を干して、捕まえられた雷魚が数十匹。
後述しますが、そもそも駆除の必要は無かったでしょう。)

とはいえ、雷魚が外来種であることは事実なので、まあ、見方によっては駆除対象になってしまうのも仕方がないかもしれません。

でも、あの大阪の池では、在来種の稚魚とか、もともと小さいハゼ系とか、ドジョウ類とか、あと一匹捕まって喜んでたギギとか、ほとんど干されて死んだでしょうね。

常識的に考えてギギは1匹しかいなかったのではなく、
1匹しか捕獲できなかった → 残りは干された
のが正解でしょう。

その池は溜池だったと思うので、管理のために干してその池の魚が死んでしまうのは仕方がないと思いますよ。
でも、
「1万匹まで大繁殖した在来種を食い尽くす外来種、雷魚」の駆除
のために在来種を殲滅するのは本末転倒ではないでしょうか。

話がそれましたが、結局のところ大騒ぎして大きな池を干したにもかかわらず、捕獲できた雷魚は数十匹にすぎませんでした。

もちろん、捕獲されずに泥の中で死んでいった雷魚も相当数いたでしょうが、干された池を見てみるとわかりますが、冬場に雷魚が泥の中にいると言っても、干されれば個体がはっきり確認できる程度に浅く潜っているだけです。

にもかかわらず、干した池で数十匹程度しか捕まえらない程度の池に、1万匹まで繁殖していたというのはあまりにも誇張でしょう。


在来種保護や生態系維持のために雷魚を駆除する意味は無い

さて、前述の、
「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」
の見直しの際に、パプリックコメントにおいて「ライギョ(カムルチー)はリストに残すべし」という意見があり、それに対して環境省からの掲載しない見解が公表されています。

この見解がこの見直しの際に雷魚が外れた理由になっていると思われます。

「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(案)に関するパブリックコメント意見・対応一覧
(PDFです。)

この一覧の218項が雷魚に関するものですが、抜粋すると下記です。
(短文ですので、上記原文で一読することをおすすめします。)

「略 カムルチーは要注意外来生物であったが、今回の選定から外されているが、その根拠が不明瞭である。カムルチーの魚類へ影響は、Miyake and Miyashita (2011)でも報告されているが、科学的データが不足しており定量的な影響が把握できていない。そのような評価が行われないまま、リストから除外されるのは適切ではない。 略」

という意見に対して環境省の回答は、

「カムルチーについては侵入後長期間経っている一方で明確な被害の報告がないため非掲載としています。 略」

つまり、雷魚(カムルチー)をリストに残すべし、とのパプリックコメントの意見も、雷魚による被害がひどいから残すべし、ではなく、
「データ不足でまだ雷魚の影響がはっきりしてないんだからリストに残すべし」
というもので、それに対する環境省の回答が、
すでに長期にわたって雷魚は日本にいるけど、「明確な」被害報告は無い
と言うものです。

要は、環境省の見解として、
「雷魚がいても別に生態系とか経済面で影響ない」
という判断になっています。

つまり、在来種保護や生態系維持のために雷魚を駆除する意味は無い、ということです。

とはいえ、雷魚が外来種であることは変わりないので、上記の環境省の回答の後半に、
「非掲載としたものについて全く問題にならないものと決定したものではなく、種によらず、外来種の被害を防止するための基本的な考え方は別途策定することとしている「外来種被害防止行動計画」において基本的な考え方を整理しているところであり、「入れない、捨てない、拡げない」の外来種被害予防三原則を呼びかけていきます。」
とありますので、念のため記載しておきます。


そういったことで、ライギョは特定外来生物ではなくなっているのですが、世間では相変わらず雷魚のイメージが悪いままです。

移入初期などの増殖期は確かに雷魚の食害などの影響はあったかもしれませんが、現状では雷魚がいても、そのままほっといても、特に問題がない状況であることが事実です。

でも、相変わらず雷魚のイメージは悪いままで、「外来種」のひとくくりで駆除と言って殺されまくっている状況は変わっていません。

そのうえ、マスメディアで率先して「駆除」されている状況ですから、この先も雷魚は虐げられてしまうという、非常に残念で理不尽な状況は続いてしまうものと思われます。


改めて、最後に確認しておきます。


在来種保護や生態系維持のために雷魚を駆除する意味は無く、
環境省の定める基準において
ライギョは特定外来生物ではありません。


追記、誤字修正しました。
再度修正しました。


我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(案)にライギョが無い件。その1 へ

我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(案)にライギョが無い件。その2 へ

我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(案)にライギョが無い件。その3 へ

「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」からライギョが外れた件 へ

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