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バイクのこと

2024/2/21

NSR(MC21)のブレーキホース交換など

樹脂部品の劣化が発覚してから気になってはいたものの、面倒なのでそのままにしていたブレーキホースを交換しました。
ついでにマスタシリンダーのピストンなどの交換も。


チェーンスライダーが経年劣化で崩壊したことで、30年物のNSRのあちらこちらの樹脂部品の劣化が発覚しましたが、その頃からブレーキ回りは気になっていました。

ブレーキホースはゴム製ですからね。
亀裂があるとか、見た目でどうこういうことはないんですが、他の樹脂部品の崩壊ぶりを目にすると、やっぱり心配。

それにこの頃からブレーキのリザーバータンクに妙なヒビ模様が出てきていて、これもかなり怪しい。
中古部品として売られているものにも、この変なヒビ模様が入っていたりするので、そんなに気にすることではないのかもしれないけれど、なんか気持ち悪い。

ヒビ模様のリザーバータンク

純正部品が買える部品は一通り買ってあって、
寒くなってバイクに乗らなくなったら交換しよう、
なんて思っているうちに1月も終盤になったので、慌てて手を付けた。


自分のNSRはフルノーマルなので、社外部品は使いたくないのだけれど、ブレーキホースは既に廃版。
仕方がないので、社外品を購入。

スウェッジラインのSTFB043
見た目だけでもノーマルっぽく、と思い、ホースは黒。
耐久性を考えて両端フィッティング部分がステンレスの物。

他に、リザーバータンクとその周り、ブレーキマスタシリンダーの中身のピストンセットを準備。
ブレーキオイルはホンダの純正DOT4。


アッパーカウルの取り外し

カウルも経年劣化が進んでいて、何かの際に取り外すとどこかが割れたり、取り付けるとどこかにヒビが入ったりするので、いまはアッパーカウルのみの状態で乗ってます。

面倒なので、アッパーカウルを外さないでブレーキホース交換できないかなあ、とか思ったものの、ムリそうなので仕方なくアッパーカウルの取り外しから作業開始。


両方のミラーを止めているナットがそれぞれ2個と、カウル先端部分のネジ1個がアッパーカウルの取り付けネジの全部。

アッパーカウルの取り付けネジを全部外して、ウインカーの配線のギボシ端子とポジションランプの配線のコネクター(カプラー)、ヘッドライトの配線のコネクター(カプラー)を外すとアッパーカウルが外れる。


ウインカーなどの配線外し

左側はウインカーの配線とポジションランプの配線があって、コネクター部分のカバーを抑えているステーをぐにっと伸ばして、カバーを上にずらすとコネクターが現れる。

左側配線コネクターカバー

コネクターカバーをずらしてコネクターを出した状態

ポジションランプの配線の黒いコネクターは、矢印部分が抜け止めで引っかかっているので、これを押し下げながらコネクターを引っこ抜く。

黒いコネクターは矢印部分を押し下げながら外す

ウインカーの配線はギボシ端子でつながっているけれど、何故か上側(車体側)の線が細いので、この線を引っ張らないようにして矢印辺りを摘まんで引っこ抜く。
下側(ウインカー側)は仕方ないので線を引っ張るけれど、まあまあ固い。

ギボシ端子を外すときには摘まむ位置に注意

コネクターとギボシ端子を外した状態

左側コネクターとギボシ端子を外した状態

ギボシ端子を再度嵌めるときは、細めのマイナスドライバーでウインカー側のオス端子を直接押すようにしてはめた。

右側も左側と同じように、コネクター部分のカバーを抑えているステーをぐにっと伸ばして、カバーを上にずらすとギボシ端子が現れる。
あとは左のギボシ端子の付け外しと一緒。

右側配線コネクターカバー


ヘッドライトのコネクター外し

苦労したのがヘッドライトのコネクター外し。

結論としては、コネクター両側にある耳を内側に押し込みながら引っこ抜く、のが正解のよう。

ヘッドライトのコネクターは両側にある耳を内側に押し込みながら引っこ抜く

なのだけれど、結構固かったのでこれに自信が持てず。
コネクターも劣化しているようで、いじってるうちにあまり力を入れていなかったのにポロっと欠けちゃったし。

コネクターの欠けた部分

ムリにこじったりして壊しても困るので、一時中断してググったり、YOUTUBEで探したりしたけど、正解が見つからず。
サービスマニュアルにも「ヘッドライトカプラを外す」としか書いてないし。

その外し方がわかんねえんだ、っつの。

で、両側にある耳を内側にぐっと押し込みながら引っぱってみたところ、外れた。

追記 R6/5/4
別件でサービスマニュアルを見ていたら、ちゃんと書いてあった(汗
追補ページ(24-69)に写真だけでなく、イラストまで付けて説明があった。

ヘッドライトカプラの外し方

外し方は正しかったようだけど。


ブレーキ関係の取り外し

ブレーキオイルを抜く

アッパーカウルを外すのに苦労して、ようやく本題のブレーキ関係。

何はなくとも、まずブレーキオイルを抜く。

ペットボトルにブレーキオイルを捨てる

こんな感じで両キャリパーのドレンボルトにビニールチューブを嵌めて、反対側にはペットボトル。
なんかのはずみでペットボトルからチューブが抜けないようにテープで固定。

リザーバータンクの蓋を外して、ドレンボルトを緩めてブレーキオイルをペットボトルに抜く。

ペットボトルにブレーキオイルを捨てる

ブレーキオイルがなかなかすごい色になってた。
なんかトロみも出てたし。

ブレーキホース、マスターシリンダーを外す

ブレーキオイルを抜ききったところで、色々外していく。

この時に各部品の中に残っているブレーキオイルをたらさないように、あちこちをウエスでくるんでおく。

今回はブレーキホースだけでなく、マスターシリンダーのオーバーホール、というか中身全とっかえの予定なので、ブレーキホースとリザーバータンクを外して、マスターシリンダーをハンドルから外す。

ブレーキランプのコネクターを外す

マスターシリンダーというかブレーキセットをハンドルから外す前に、マスターシリンダーの下にあるブレーキランプスイッチのコネクターを外しておく。
このコネクターは引っこ抜くだけで外れる。

ブレーキセット自体はボルト2本でハンドルに固定されているだけなので、このボルト2本を外すと、セットでごそっと外れる。

ブレーキセットを固定しているボルト2本

ブレーキランプスイッチはネジ1本で止まっているだけなので、マスターシリンダーをいじるときには外して作業するのが正解らしいのだけれど、付いたままでも作業の邪魔にはならなそうだったので、付けたまま。

ボロボロになったブーツ

ブレーキレバーを外してみると、マスターシリンダーのブーツがボロボロ。

ボロボロになったブーツ単体

破けてるし。

マスターシリンダーのピストン

破けたブーツを外してみると、変なものがこびりついてなかなか酷いことになってる。

劣化したブレーキオイルがこびりついたマスターシリンダー

リザーバータンクからつながる部分も、劣化したブレーキオイルらしき変なものが付着している。

どちらも掃除したらそれなりに奇麗になったけど。


マスターシリンダーの中身入れ替え

車体から外すものを全部外したところで、マスターシリンダーのオーバーホールというか、ピストンとかカップとか中身の総とっかえ。

マスターシリンダーの分解

マスターシリンダーの分解、といいながら、サークリップを1個外すとピストンとかの中身が全部引っこ抜けるのだけれど、このサークリップ1個を外すのが意外と大変でした。

マスターシリンダーのブレーキレバー側の内側にサークリップがあるのだけれど、マスターシリンダーの縁が壁のようになっていて、手持ちのサークリッププライヤーが微妙に入らないというか、サークリップの穴に嵌められない。

マスターシリンダーの壁

サークリップをちょっと回して、壁のないところでプライヤーが使えるようにしてギリギリ外せた。

もし、これからサークリッププライヤーを買うのなら、板状のプライヤーではなく、細い棒状のモノ推奨。


さて、中身を引っ張りだして、内側を掃除して新品のピストンセットを組み付け。

45530-KV3-305

NSR250R SE(MC21)用のマスターシリンダーピストンセットの部品番号は、
45530-KV3-305
で、部品名が、
シリンダーセット,マスター

これはまだ純正部品が買える。

マスターシリンダーピストンセットの各部品

ピストン、プライマリーカップ、ブーツ、サークリップ、スプリング、セカンダリーカップ、のセット。


で、ピストンにカップを嵌めるのだけれど、これもなかなかの難易度でした。

取り外したマスターシリンダーピストン

上の写真は取り外したピストンですが、真ん中あたりにある方のカップをピストンに取り付けるのが一苦労。
何しろ、サイズがおかしいんじゃないか、と思うくらいカップの穴が小さい。

上の写真の円筒部分に嵌めた時点でパツパツで、
このカップ、これ以上広がらないんじゃね?
と思うぐらいなのにツバ状の部分を超えなきゃならない。

乗り越えなきゃならない部分

乗り越えなきゃならないツバ状の部分。

円筒部分に嵌めた時点でカップがパツパツでそれ以上カップを伸ばせる気がしないし、そもそもパツパツに嵌っているので、引っ張れるほどの強さで摘まめない。


我ながら良いアイディアだと思うのだけど、釣りのナイロンラインを使ってみたら、上手くいった。
ただし、これが正しい手順とは思わないので、念のため。

ナイロンラインと一緒にカップを嵌めた状態

まず上の写真の状態にナイロンラインと一緒にカップを嵌めて、ナイロンラインの両端をもって引っ張ることでカップを広げて、ピストンのツバ状の部分を上手く乗り越えられた。
ツバ状の部分を乗り越えたら、ナイロンラインを引っこ抜いて終わり。

使ったナイロンラインはバリバスのナイロンライン Game 20lb

細いラインだとカップが切れると思い、太めのラインを使用。

とはいうものの、何度も言うけど、カップがパツパツのキツキツなので、
最悪カップが破けちゃったら、元々ついてたピストンをそのまま戻せばいいや、
という開き直りの元に実行しています。


なお、カップは二つともテーパー状になっていて、取り付ける向きが決まっています(2つとも細い方がブレーキレバー側)が、万が一逆に嵌めてしまった場合、ピストンからカップを外す方法は想像がつきません。

もう一つのピストンの端っこに嵌めるカップもまあまあ固いけれど、こちらは手でぐにぐにしただけで嵌められました。


マスターシリンダーの組み立て

ピストンにカップ2個を嵌めたらマスターシリンダーの組み立てですが、スプリングの径が細い方をピストンにくっつけて、マスターシリンダーの中に入れて、サークリップを止めて、最後にピストンの頭にある溝に合わせてブーツをぐにぐに嵌めたら、マスターシリンダーの組み立て完了でオーバーホールが完了。

この、マスターシリンダーの組み立てに関しては、特に難しいことは無かった。


ブレーキホースの組み付け

マスターシリンダーにブレーキレバー付けて、ハンドルに固定して、ブレーキランプスイッチのコネクターを挿して、ようやくブレーキホースの組付け。

説明書はちゃんと読んだ方がいい

説明書を読むまで知らなかったのだけれど、ホース両端の六角部分のホース側にレンチをかけてはいけないんですって。

交換用に用意したブレーキホース「スウェッジライン STFB043」の両端部分は六角ナットを2つ重ねたような形状になっていますが、同梱されている説明書を読むとこの六角ナット状の部品のうち、ホース側にスパナを掛けてはいけないらしい。

スパナをかけていい部分と悪い部分

説明書によると、バンジョーアダプターやキャリパーアダプターにつながる端っこの六角部分の「ヘッド部」と、ホース側の六角部分の「スカート部」は逆ねじ構造で組まれているんだそう。

なので、バンジョーアダプターやキャリパーアダプターにブレーキホースを取り付けようとしたときなどに、ケーブル側のスカート部の六角部分にスパナをかけて締め付けると、ヘッド部とスカート部の接続部分が緩んでしまうことになってしまう。

同梱されている部品を見ると、なんとなくで組付けられそうな気がしたものの、一応、説明書を読んでみて上記の通りでびっくり。
特に、マスターシリンダー側はバンジョーアダプター2本が接近していてヘッド部にスパナをかけにくいので、説明書読んでなかったらスカート部にスパナ掛けてた可能性は高い。

そもそも説明書には、「取付は認証工場で行ってください」って書いてあるけどな。

マスターシリンダーにブレーキホースを繋げた状態

写真撮り忘れてアッパーカウル付けてからスクリーン越しの撮影なので見にくいけれど、バンジョーアダプターを少しずらさないと取り付けられない。

バンジョーアダプターはずらして取付

バンジョーボルトの頭って、妙に半端なサイズなんだけど、これだけインチサイズなんだろうか?
それとも俺の勘違い?
カチッとはまるサイズのレンチが無かったんで、モンキーで締めたけど。


エア抜きにめちゃめちゃ時間がかかった

リザーバータンクも新品に交換して、最後のブレーキオイル注入及びエア抜きとなりますが、自分でブレーキオイルの交換なんて、記憶にないぐらい昔にやったきり。
NSRに関していえば、前回の交換はバイク屋さんにやってもらっているので、自分で交換するのは、何年ぶりだろ。


そういえば、リザーバータンクについているゴムの部品は使いまわしたのですが、これも、どうやって付け外しすんだい?ってぐらいムリのある形状に見えましたが、ぐにぐに引っ張ったらそれほど無理なく無事に外せて、ぐにぐに押し込んだらそれほど無理なく嵌められました。

リザーバータンクのゴムブッシュ

このゴムの部品。


さて話を戻して、ネットとか見てみると、エア抜きポンプとかいって、シリンジを使ってエア抜きするのが簡単そうだったり、キャリパー側からブレーキオイルを押し込むとエア抜きがほとんど必要なくて簡単、とかいう記事などが目についたものの、やったことのあるトラディショナルな方法でエア抜きしました。

結果、序盤に手順を間違えたこともあり、めちゃめちゃ時間がかかりました。


リザーバータンクにブレーキオイルを入れて、ハンドルの向きを変えながらすかすかのブレーキレバーを20回ほど握って泡が出てこないので、マスターシリンダーにはオイルが充満したとみて、ブレーキキャリパーからのエア抜きを開始。

ここで間違えちゃったんだなあ。


ブレーキレバーを3,4回握って、握った状態でブレーキキャリパーのドレーンボルトを緩めてブレーキオイルと空気を出して、って、既にブレーキホースとブレーキキャリパーに空気がほとんど嚙んでない状態のやり方でしばらくやってしまった。

あんまり久しぶりだったんで、普通のエア抜きの手順でやってしまったよ。


いつまでたってもブレーキレバーはスカスカだし、ドレーンボルトから出てくるオイルはちょびっとだしで、さすがに気が付いて、ドレーンボルトを緩めた状態でブレーキレバーをぎゅっと握ってドレーンボルトを締める手順で、とりあえずブレーキホースとブレーキキャリパーにオイルを供給したら、程なくしてブレーキレバーに手ごたえが出始めた。

時間と労力をかなり無駄にしたぜ、って、説明書にはちゃんと順を追って手順が書いてあったけどな。
(だから説明書を読めとあれほど、、)


ということで、500回ぐらいブレーキレバーを握って無事にエア抜きも終わり、ブレーキレバーの握り心地がなかなかの固さになったところでブレーキホースの交換終了。

新品のブレーキホース

アッパーカウルを取付けて、無事完了。
なんかノーマルホースよりもたるんでいるような気がするけど、こんなもんなんだろうか。


ブレーキオイルの補充にはスポイト推奨

今回初めて、ブレーキオイルをリザーバータンクに補充するのにスポイトを使ってみたのですが、お勧めです。

ブレーキオイルの補充に使ったスポイト

いつもブレーキオイルの缶から直接リザーバータンクに補充してたのですが、こぼしたり、缶の外側にオイルがまわってしまったりで、気が気でなかったのですが、スポイトを使ってみたところ全くブレーキオイルをこぼすことなく補充出来ました。

ブレーキオイル用スポイトとして売っているものではありませんが、充分役に立ちました。

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NSR250(90-93)用ブレーキホース スウェッジライン STFB043
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NSR250R用の純正マスターシリンダーピストンセット 45530-KV3-305
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